レビュー (Amazon) 「ダンボールハウス」の長嶋千聡と、ホームレスに目をむける視線の近さを感じた。つまり、蔑視でも無視でも同情でもない。ホームレスに対する世間一般のステレオタイプな反応とはまるで違うのだ。そして、坂口恭平の紹介するホームレス鈴木さんの、なんと先入観を裏切る佇まいよ!一見、普通に社会生活を送ってるように思える“一般人”よりも、よっぽど社会性を身につけている。なんたって、イキイキして明るい。屈託がない。ふところが深い。生活に対する飽くなき工夫、向上心、そしてその生活の充実ぶり!昨今の無差別殺人とか家族間殺人なんかの報道を見るにつけ、全般的な“人の力”の低下を感じない訳にはいかないんだけど、鈴木さんには微塵もそういう影が見られないんだよね。やっぱ、みんな「金」とか「人との比較」とか「存在感」とかにやられちゃってると思うんだよね。なんか、みんなが「金持ち」や「有名人」を目指してて、そうなれなきゃ生きてる意味がない、みたいな勘違いしてる気がする。鈴木さんの生活は、金なんか必要最低限ありゃいい、人様に迷惑さえかけなきゃいい、気楽に楽しく生きられりゃそれでいいってことを思い起こさせてくれる。「身の丈」「身の程」ってことですよ。この本読むとすごく謙虚になれる。自分の傲慢さに気付かされる。なんたって、その生活ぶりは読んでて楽しいし、正直羨ましい。 しかし、この著者の自然体は才能だね。そして、多摩川を河口から源流まで辿り、ホームレスホーム(この言葉の矛盾!)を一軒一軒訪ね歩くその好奇心の強さ!脱帽です! 関連グッズ |