レビュー (Amazon) 日本では劇場未公開に終わった、アルフレッド・ヒッチコックの英国時代の監督作品。ジョセフ・コンラッドの小説『諜報部員』の映画化で、タイトルの『サボタージュ』とは、大衆に不安を与える目的で、故意に建物や機械を破壊する行為を指している。 何者かが発電所に細工をし、夜のロンドンが停電に見舞われる。スコットランド・ヤードの懸命な捜査の結果、映画館主のヴァーロック(オスカー・ホモルカ)が捜査線上に浮かぶ。警察は潜入捜査を行いヴァーロックを追いつめるが…。 最大の見どころは、善良な市民を装うヴァーロックの身動きがとれなくなり、やむなく妻の弟に時限爆弾の包みを託す、そのくだり。中身を知らない少年が持つフィルム缶に入った爆弾がいつ爆発するか。細かいカットを重ねていくサスペンス描写は、後のヒッチコック映画の原点とも言うべき秀逸さ。なおヴァーロックの映画館で上映されるアニメーションは、ウォルト・ディズニーによるもの。(斉藤守彦) |