レビュー (Amazon) フランス映画界で一世を風靡した色男、アラン・ドロン主演の大人のメロドラマ。野望を持つ若手政治家と、トップレス姿も印象的な若いファッションモデルの愛人関係という本筋はもちろん、歴史を感じさせる街並、豪華な調度品、優雅なライフスタイルといった背景にも、かつての日本人が憧れた“カッコいいパリらしさ”のすべてが凝縮されている、1974年作品。 行き届いた脚本と淡々としながらも余韻の残る演出がユニークな佳作である。大臣のポストを得るべく政治的な駆け引きに走り回る男の多忙な一日と、彼がその合間に回想する女との出会いや蜜月の場面が交錯する構成だが、終盤近くになるまで女は回想の中のみの存在で、“今”のシーンでは男がひたすら不在の女に連絡を取ろうとしている。繰り返されるその描写が、男の女に対する渇望を自然に感じさせるのがなんとも巧みだ。秘密の恋ならではの艶かしさが画面からにじみ出るような、情交シーンの甘美さも素晴らしい。(安川正吾) 関連グッズ |