レビュー (Amazon) 北海道の雄大な原野を舞台に、キタキツネを長年キャメラで追い続け、その生態をドラマティックに描いていく蔵原惟繕監督の長編ドキュメンタリー映画で、劇場公開時は大ヒットを記録した。キタキツネの親子を半擬人化させてのストーリー仕立てにしているところが興味深いがその分作為的な面も否めず、そこをどう受け止めるかで評価も大いに変わってくる。ただし、広島原爆の惨状を目の当たりにした過去を持つ蔵原監督は、荒涼たる原野で生き抜こうとするキタキツネの姿に、人生の過酷さや、それを乗り越えて生き抜く生命の力強さを託して描こうとしていることは想像できる。町田義人、ゴダイゴらアーティストによる歌と映画音楽の名匠・佐藤勝による劇中曲の融合も、すべてが成功しているとは言わないが、なかなかに意欲的であった。岡田英次のナレーションも、作品のテイストに声質が見事にはまり素晴らしい味わいを醸し出している。(増當竜也) |