アイ’ムホーム~遥かなる家路~I'm home (TV Series) (2004)原作:石坂啓(「アイ’ムホーム」)出演:時任三郎(家路久)、紺野美沙子(清原カオル)、戸田菜穂(家路ヨシコ)、星井七瀬(清原スバル)、佐藤仁美(岡田杏子)、石田靖(清原健児)、内場勝則(高木亮一)、ぼんちおさむ(竹田社長)、千堂あきほ(祥子)、陣内孝則(山野辺俊) 主題歌:「大好きだよ。」大塚愛 関連リンク ロードショー:2004年11月15日(月)~ 毎週月~木曜23時~ NHK総合 →「2004年10~12月TVドラマ・アニメ」一覧へ →「月~木曜23時 NHK総合」TVドラマ・アニメ一覧へ ×Official Site(公式サイト) www.nhk.or.jp/drama/pastprog/imhome.html キャスト・スタッフ
時任三郎、紺野美沙子、戸田菜穂、星井七瀬、石坂啓、浅野妙子 レビュー (Amazon) 記憶を失ってしまった男が自分の過去を振り返る中で自らを再生させていくまでの心の軌跡を描いた静かなる感動作。単身赴任先の青森で火事に遭い、その後遺症で過去5年間の記憶をなくしてしまった家路久(時任三郎)は、4年前にかつて妻だったカオル(紺野美沙子)とすでに別れているも、離婚の記憶も一緒に失ってしまったために、ふと気がつくとカオルの家に帰宅してしまっている。カオルとの間の娘・スバル(星井七瀬)はそんな久に呆れつつも、やはり放っておけない。久は改めて新しい家族の元へと家路につくが、現在の妻・ヨシコ(戸田菜穂)と息子・ヨシオ(鶴八雲)は見覚えのない他人として、その顔は仮面に見えてしまう。 記憶の喪失というカセによって生み出される、求めているのに拒絶されてしまう昔の家族との関係性と、逆に求められているのに大いなる距離感を感じてしまう今の家族との関係性は、いつしか見ているものの身近で現実感のある出来事のようにも感じられてくる。そのあたりの普遍的なジレンマが非リアリティの物語に散りばめられることによって、何とも物悲しい雰囲気が醸し出されていくあたりこそがこのドラマの秀逸なところだ。記憶の断片が連なっていく中で、冷酷な人間だった主人公の過去がついにひも解かれていくあたりから、次第に円環していく最終盤にまで引き継がれるミステリアスな展開は、最後の最後まで大いに惹きつけてはなさない。 見知らぬ現実に翻弄される主人公を飄々と演じる時任三郎も好演だが、まるで鏡像関係にあるような新旧2人の妻、カオル役の紺野美沙子とヨシコ役の戸田菜穂の熱演もまた心を打つ。こういう大人の鑑賞に堪える作品は大変貴重である。(麻生結一) |